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気まぐれに書評とか。

「営業の達人」

今日は営業を学んできたので、そのアウトプットとして記事を書きます。もっとも、私は営業についてはほとんど未経験に近い(昔、議員事務所でちょっとだけテレアポやったなあ…)ので、ほとんど座学で実体験を伴いませんがご了承ください。

目次

  1. どうやって、モノを買わせるか?
  2. テレマーケティングは古くない!
  3. なぜ平凡な営業マンはアポをとれない?!
  4. 講演を聞いて

どうやって、モノを買わせるのか?

さて、営業をする際にはポイントが2つあるそうです。

  1. 見込み客を見つけて見込み客に会う
  2. 迷ったお客へのクロージングを強化する

図にして大別すると、2つのステップにわかれます。今日はとくに、「会うまで」の話を中心に整理してアウトプットしたいと思います。

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まず、お客さまと会うまでのことを通称マーケティングと呼びます。マーケティングには、「4マスによる宣伝活動」、「DM」、「チラシや新聞折込」、「インターネット集客」、「テレマーケティング」の5つの手法が考えられます。それぞれのメリットとデメリットを説明します。

  1. 4マスによる集客:一発当たるとデカいが、法律による制限が多く、それによって表現の幅が狭められている。
  2. DM:絞りこまれたターゲットにのみリーチをかけることができるが、一般向けにDMを打ってしまうと効果が薄い。
  3. チラシ、新聞折込:今の時代となっては微妙
  4. WEB集客:安い商品は囲い込みやすいが、高い商品はほかとの比較検討をされてしまうためになかなか買われにくい。また、「待ちの営業」になりがち。
  5. テレマーケティング:地域に密着しており、安価。イメージとしては前時代のものという印象があるが、そんなことはなく現代においても効果は高い。待ち営業の状況から脱却できる点でメリットあり。

とくに僕はインターネットマーケティングに興味があるのでその補足をいれますが、インターネットマーケティングは狭い顧客層の取り合いになるため、よく考えてから使わないと効果をうみにくいのだそうです。狭い領域の顧客を取り合いするために、必然的に競争が激しくなります。そうなってくると、投下した費用に対して思ったほど見返りを得られないという状況が発生します*1

どういった顧客層の取り合いをしているかというと、「今すぐ客」の取り合いをしている。そしてそれは全体の5%しかいないのです。残りの95%の顧客を、実はインターネットマーケティングでは取り逃してしまっている。そうなると、リアル世界とネット世界を上手につなぎ合わせたマーケティング戦略が必要になってきますね。

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実際、吉野さんはインターネットマーケティングとテレマーケティングを組み合わせた集客手法を確立されているそうで、これが結構効果があがっているのだそう。気になる方は著書をご覧ください。

テレマーケティングは古くない!

さて、話はテレマーケティングに移ります。

テレアポのスキルとして重要なのは「最初の10秒」に力をいれることなのだそうです。これが意図するところは、「その場で受話器を下ろす」のを防ぐことにあるそう。対面では「第一印象が大事だ!」と言われますが、電話では「受話器をあげて聞こえてくる10秒の話が大事だ!」ということになりますね。対面と通じるところがあります。

営業のステップは、「最初の10秒」→「本題」→「時間設定」→「アポ」の順。

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で、最初の10秒がとにかく命なのです。ここで施策を打つだけで、次のステップ「本題」「時間設定」「アポ」への転換率が大きく変化してきます。図では、実施前は本題への移行が2だったのに対し、実施後は4と倍増しています。実例だそう。

そして、最初の10秒でガチャ切りされないための3つの工夫として、

  1. 自社をブランド化できる名乗り方:「すごい会社から電話がかかってきた」と思わせる。とりあえず、自分の会社のすごいところ(例:「この地域で売上NO.1の」)を最初に言い切る。
  2. 特別感を与え、相手のプライドをくすぐる:「こちらの業界の優良企業様だけにTELさせていただいております」等
  3. 相手へのメリットを徹底的に具体的に明確に打ち出す:「本日は××様の●●を■■しながら▲▲するという★★の情報を無料でお届けしたくTELしました」

どこかの心理学の教科書で見たな、という内容が並んでいますが、これを応用した吉野理論はすごい!

なぜ平凡な営業マンはアポが取れない?!

では、最後になぜアポが取れないのかというお話をされていたので、簡単にご紹介。

なぜ、お客さまはアポをくれないのか。それは、忙しいからでも興味がないからでもなく、お客さんの頭の中が損得勘定を始めとする現実的思考から抜け出せていないから、なのだそう。これ、結構経験あると思うんですよね。思い返せば。

では、現実的になったお客さんの頭の中をどう変えていくのかというと、それはとにかく「未来に思考を飛ばし、夢を見させる」ことによって変えていくのだそう。つまり、5秒で商品購入後のビジョンを示すのが重要なのだそうです。あれ、リーダーシップじゃん。

人を引っ張れない営業マンは契約も引っ張れない。

講演を聞いて

この講演を聴き終わった後に自分が感じたことをいくつかあげると、

  1. 相手の立場にたって考えるという原理原則に忠実に従うことの重要性
  2. リーダーシップと営業スキルは紙一重

あとは長いので読み流してください。

1についてはもう言うまでもないですね。いや一番難しい「1」なんですが、これは改めて感じました。明日からの案件にぜひ導入する所存。

2については、「人を引っ張れない営業マンは契約も引っ張れない」ということばが浮かんだので、それを勝手に書きましたが、これに尽きるんじゃないかなと。「人を引っ張る」には、いろんな要素が必要になってきます。人を動かすストーリーを語れることであったり、にじみでる人のよさであったり、爽やかさであったり…etc。それらの要素をひとつも持っていない営業マンは、当然営業で案件をとってくることも難しいのでしょう。

営業ってただ闇雲にお客さんのところにいって、お話をして、帰ってくる…そんなことを繰り返していてはいつまでたっても上達しないのだと感じました。「●●理論」を導き出す方のレベルになると、すくなくとも竹槍持って突撃してるということはまずない。表ではすごく丁寧にお客さんと接しながらも、裏ではお客さんの心理の裏をかこうと常に作戦を練っている。それはまるで、戦場で闘う兵士のようだ、と感じました。

外交などでよく「インテリジェンス」ということばが盛んにかわされますが、あれに近いのかなという印象。徹底的にターゲットについて観察し、研究し、征服(?)する。これが営業の極意であり、営業のおもしろさなのでしょう。今日はじめて、営業もやってみたいなと思いました。

カーネギーだったでしょうか、「すべての商売の基本はセールスにある」と言っていましたが、今日感じた上の2つを見ればわかるとおり、本当にすべての基本はセールスにあるのだと思います。お客の契約を動かせる人は当然、人をも動かせるわけですから、経営にもつながってきますね。経営者に重要な資質として、やはり営業力は欠かせないものです。

*1:もちろん、ラインアットなんていう最近はやりのツールがありまして、それは後述するテレマーケティングに近いものがあるわけなのですが、ラインアットもユーザを「獲得しなければならない」時点で、待ちマーケティングなのだと思います。