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気まぐれに書評とか。

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『プロタゴラス』

古典は読者の頭をフル回転させる。文字通り、「本と格闘する」。本と格闘するとはまさに「脳に汗をかく」感覚をいうのだと思う。とくにプラトンの作品はストーリーを追いかけやすいため、読者は文字をいたずらに精読する必要がない。その浮いた分、読みなが…

【書評】『メノン』

「だがぼくは、教えられるか教えられないかを知っているどころか、徳それ自体がそもそも何であるかということさえ、知らないのだよ。」という、衝撃的な一文が始まりを告げる一冊。まだ読んでいないのだが、おそらく、同じくプラトンが著した『プロタゴラス…

【書評】『一勝九敗』

夏といえば、本屋が文庫本でにぎやかになる季節である。今年も角川や新潮社などといった出版社が、文庫本フェアを行なっている。読書感想文の季節だからだろう、小説のラインナップが心なしか多いと感じる。 私は小説をあまり読まないタイプだった。というの…

ネット選挙ってなんのために解禁したんだろう

まだ導入してはじめての選挙なのでなんとも言えないけれど。とりあえず惨状は見てきた。どの議員もしているのは活動報告だけ。それが本来の目的だったのだろうか? 正直、ネット上でがんばってるアピールをされても「がんばってください」としかいえない。有…

日本の高齢化を身をもって体感した

今日は地域再生型のNPOのお手伝いにいってきた。ひょんなきっかけからお手伝いさせてもらうことになったのだが、今後もお付き合いすることがほぼ決まった。 このNPOは商店街を(再)活性化させようという目的のもとに活動している。うちの大学の教授がゼミで…

【書評】『すばらしい新世界』

オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(Brave New World)を読了した。 本書を最初に手にとったときに疑問だったは、"Brand New World"ではなくて、"Brave New World"な点だった。braveという単語には「立派な」という意味も含まれているが、そのへんが少…

ウェブデザインの本質について少し考えさせられた

ウェブデザインの本質は、言葉です。言葉は、デザインをした後に考えるものではありません。言葉はデザインの始まりであり、中心であり、主役なのです。 http://justinjackson.ca/words_japan.html 本当にまったくそのとおり。今、とあるインタビューサイトのデザイ…

ネット選挙運動解禁とそのメモ

ネット選挙が解禁された。ただ、この解禁はまず、「選挙運動」であって「ネット投票」まで解禁されたわけではない。そしていくつか間違えやすく違反しやすい点もあると思ったため、一度整理のためにメモ。 有権者は、候補者の支持を呼びかけるメールを送れな…

【書評】『統計学は最強の学問である』

個人的な感想だが、イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』の方が、同じデータ解析・統計解析・データマイニング系では100倍おもしろい。知的興奮を主題としていないのだろうけれど。しかし、あの本を読んだときほどの知的興奮は皆無に等しかったといっ…

【書評】『カント--世界の限界を経験することは可能か』

カント入門。実は現象学で挫折し、一度カントに戻って哲学の流れをチェックする必要があると考え、読んでみた。 カントについては『啓蒙とは何か』をはじめとして、『実践理性批判』ならば読んだことがある。『啓蒙とは何か』は、以下の一節があることでも有…

今月読む本、7月

7月に読む本。今月から計画的に読書をしていこうと思う。そうすると達成感も得られるだろうし、なんでこの本読んでるんだ?と路頭に迷うこともなくなるだろうし。 6月の積み残し Thinking Fast and Slow(Daniel Kahneman):あと60% すばらしい新世界[Brav…