【書評】『ハムレット』
ハムレットを読んだ。いつだったか、何かの機会に読んだことがあった。久しぶりに読み返してみたが、まず第一に「とにかく面白い」。
私が読後感じたことはひとつ。不誠実な行為はいつか自分にはね返ってくる。この一点だ。国王についてもしかり、ハムレットについてもしかり。そして、レアティーズにしてもしかり、だ。
ネット上で毒を吐くのはいいことか論争が起きているが、私は「毒は自分にいつか返ってくる」ということを考えている。これはハムレットを読んでいてさらに強く感じたことだ。国王は自らの兄である前王を殺したが、後になってハムレットに命を狙われることとなる。また、ハムレットは国王を殺そうとしたが、国王から目をつけられたり、レアティーズに命を狙われたりすることになる。レアティーズは剣先の毒でもってハムレットを殺そうとしたが、逆にその剣をハムレットに奪われ斬りつけられた。結局レアティーズもハムレットも死んだ。作中には書かれていなかったと思うが、国王はハムレットの遺言により、自らの地位を奪われただろう。
人を不幸に陥れようとしたところで所詮得られるのは虚しい満足くらいである。むしろはね返ってくる仇の方が大きいのではないか。
分厚いながらも、軽快な物語展開なために読みやすい作品だった。