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気まぐれに書評とか。

ランディングページ設計の際に気をつけたいこと

ランディングページを改善する仕事をさせてもらっていて、気づいたことがあったので共有したいと思う。

  1. ストーリー性をもたせる
  2. 比較の重要性
  3. ひとめでわかるか

■改善前の現状

改善前の現状としては、「ただランディングページを作りました」という感が否めなかった。具体的に画像で示すことができるとよいのだけれど、たとえば文章をひとつとってみても「ただ書かれている」という臭いがひどいくらいにする文章で、本当にお客さんを惹きつける気があるのかと疑うレベルだった。

今回の依頼は成約率の向上を主眼に置かれたものだったので、現状ではなかなか難しいということをお伝えし、改善点をいくつか列挙させていただいた。

■ストーリー性をもたせること

ストーリー性をもたせるということは、要するに一冊の本の内容を一度WEBに落としこみ、それをそのままデザインするという感覚と同じである。各コンテンツが、一連の文脈という流れの中に存在している、ということだ。

ランディングページを設計する際の基本中の基本事項なのだけれど、ストーリー性をもたせるというポイントがある。最近では経営戦略論の中でもストーリー性をもった戦略の重要性が叫ばれているけれど、それはそのままランディングページの設計にも当てはまる。

具体的にどのようにストーリー性をつけるのかというと、要するに「その製品のプランを紹介するブログ記事をひとつ書くつもり」でデザインを行うということだ。これは説明が難しいのだが、具体的には一冊の新書をWEBページに落としこむとしたらあなたはどうするか?という視点である。新書をWEBページに落としこむ時、普通文章をそのまま転載することはしないだろう。それは何より、誰も読まない。そうではなくて、必ず見出しを強調してみたり、図表を使ってみたりすることと思う。それと同じことをランディングページでも行えば、少しはストーリー性をもったページができるはずだ。

また、ストーリー性がないということは要するに情報が整理されていないということでもある。整理されていない情報を見た顧客は困惑するに違いない。それが成約に結びつくはずがない。

情報を整理するということは、そのまま他社製品との差異を強調できる。結果として、自社の製品を優位に導くことが可能になる。もちろん、自社製品のプランの欠点もわかりやすくなるため、改良のきっかけになるかもしれない。

■比較の重要性

先ほど情報を整理することの重要性を書いたのだけれど、特に気をつけたいのが「比較」という観点である。具体的には、「他社製品との比較」、そしてそれをふまえたうえで、無料プラン・スタンダードプラン・プレミアムプランといった「プランごとの比較」、が大切になってくる。そのためには情報をきちんと整理しなければならない。

学生時代、多くの人が現代文の授業などで耳にする「対比」や「比較」の重要性だけれど、思った以上にそれは大人になると忘れ去られている。だが、コンテンツやビジネスプランを作る際に最も重要になってくるのはこの「比較」の部分であると僕は思う。もちろん他社との比較がそうだ。けれど、それに加えて自社の製品と製品の間の差も明確でなければならない。そして、それを顧客にわかりやすく伝えられなければ、当然成約には結びつかない。

他社製品との比較は、ランディングページにおいてはとくに強調されなければならない。ひとめで見て、自社の製品を「良い」と思わせられなければ、すぐに「×」ボタンを押されてしまうからだ。他との差は、瞬時にわかるくらいにまで明確に落とし込んでおく必要がある。これはデザイナーでも一翼を担うことはできるけれど、やはりビジネスプランを練り上げる段階で明確にしておかなければならない。

次に、プランごとの比較についだが、そうした他社製品との比較を踏まえた上で、では自社製品にはどのような差があるのかを明確に示す必要がある。これももちろん、ひとめでわからなければならない。わかりにくいプラン比較表は瞬時に改善する。

他社製品との「差」、自社製品の「差」ーー「差」や「比較」は、そもそも文章の根幹をなす部分である。WEBページの本質は文章であると僕は思う。文章をきれいにコーティングするのがWEBデザイン。だから比較は大切だ。また比較がなされることによって、製品がより際立つことにもなる。

■ひとめでわかるか

比較がひとめでわかるか。ストーリーがひとめでわかるか。メリットがひとめでわかるか。WEBページはあまり深く読まれない。読まれないからこそ、強調すべき部分をきちんと強調できていなければならない。ひとめでわかる必要がある。それを防ぐためにはやはり、情報をきちんと整理しておくことが大切なのだ。

これはもはや基本中の基本で、多くの人が心がけていることだと思うけれど、ランディングページではこういった、「比較」や製品を購入した際の「メリット」、そして申し込みの「手順」などが、ひとめでわかる必要がある。

だが、当たり前だがこれが案外難しい。ひとめでわかるようにしっかり強調したつもりが、いろんなところが強調されてしまって、結果として推したい部分が推せない。視点がいろんなところに飛んでいってしまうWEBページが完成してしまう。

だから、これを避けるために情報をあらかじめ整理しておくのだ。場合によってはひとつブログ記事を書くつもりで。それをWEBページに落としこみそこからデザインをすれば、まず情報が整理されていないという事態には陥らないと思う。

次に、強調したい部分のプライオリティをきちんとつけること。具体的にはA〜Cくらいまでの強調ランクをつけ、ランクごとに強調の仕方を統一すること。これを行うだけで、ばらばらで散逸だったデザインが一体感をもったものになってくるだろう。なによりも、強調したい部分がひとめでわかるようになり、顧客にストレートに伝えることができる。

現状まだデザイン中のランディングページなのだけれど、以上のことについて気をつけながら設計をしていきたいと思った。実はわかりにくいサイトほど「情報の整理」が甘いことがある。情報の整理は特に気をつけなければならない点だ。