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気まぐれに書評とか。

大女優はこういう恋愛をする

サマセット・モームにハマって、短編集を読み、その次に『劇場』という本を偶然近くのブックオフで発見し、読んでみました。ブックオフで買った際にこの本に新聞の切り抜きが挟まっていて、その記事に『劇場』の映画の話が書いてあって、とても興味をそそられ買いました。

まず結論からいうと、これは映画になって然るべき作品で、映画にしてもとても楽しめる作品だと思います。ある若い女性が激しい恋をしながら大人の女性になっていくさまが、綿密に描かれています。舞台女優という職業柄、どうしても恋がないとすばらしい演技を続けられないのでしょう。最後は演技によって、自分自身を縛っていたしがらみを振りほどいていく。それが描かれています。

主人公ジュリアはイギリスの大女優です。その大女優は、イギリス一の美男子との呼び声高いマイケルと結婚します。しかし、美人な彼女は、たくさんの魅力的な男性たちに言い寄られ、多くのアバンチュールを経験します。その中でトムという若い男性にぞっこんになります。

しかし、トムはまだ若く、彼も別の女性に惹かれ…で、トムに嫉妬してジュリアは大変なことになります。最終的にはトムに振られ、失恋期間を過ごすことになり、そのときに支えてくれたのがマイケルでした。

それまでマイケルとは良好な関係とは言えず(最近よくある中年離婚しかけの夫婦ですね)、マイケルを疎ましく思っていました。しかし、マイケルは長年なんだかんだジュリアをずっと見てきただけあって、優しくジュリアを慰め、ジュリアを再び舞台に立たせることになります。マイケルはちなみにトムやその他の男性とのアバンチュールには気づいていないように描かれています。

個人的には最後のほうでジュリアが立ち直って、舞台上でトムの惹かれた相手を熟達した女優の力量でコテンパンにしてしまうシーンが好きで、スカッとしました。終わりがとてもスカッとする小説です。サマセット・モームは本当にストーリーの進め方がうまいですね。次もまた読んでみようと思いました。

劇場 (新潮文庫)

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