「学生時代にしかできないこと」と「学生時代にやるべきこと」
「学生時代にしかできないこと」って、ないといわれるけど、実はひとつだけあるんだな。
卒業して思うけど、それは「学問」だ。しかも、ホンモノの学問の方。つまり、研究である。
研究とは、文系で言えば資料をかき集めて自らが設定したひとつの問題に対して論文を書き上げることだ。理系だと、同様にひとつのテーマに対して実験等を繰り返してデータを集め、同様に論文を書き上げることだ。
つまり、学生時代にしかできないことは論文を書くことだと思う。
旅行でもなく、インターンでもなく、ビジネスでもなく、アルバイトでもないのだ。
普通の社会人でも、論文を書くことになる人はいるだろうけど、多くの社会人にとって論文とは最も縁がないものだろう。したがって学生時代に書く卒論が最初で最後の論文であり、そこに力を尽くさないと一生できないことになる。
でも、学生時代にしかできないことと、学生時代にやるべきこととは少し違う。
学生時代にやるべきことは、やはり「自分探し」と「適性探し」と「やりたいこと探し」の3つに尽きるだろう。これに対して異論のある方は、あまり多くないと思う。
やはり20代前半というのは自分というものがわからない。僕だってそうだ。自分が〈何者〉なのかわからないのだ。アイデンティティがわからない。自分の「実存」がいったいなんなのかが、よくわからない。だから変な宗教にハマっちゃう場合もあるし、自分探しの旅にでちゃう場合もある。
でも結果がどうであれ、自分探しをきちんとした人っていうのは、なんとなく自分自身に自信がつくし、自分なりの哲学を形成することになる。そこから変な自信に取り憑かれてプライドが高くなって、周りや大人に叩かれてプライドをなくし、そこからまた立ち上がっていくというプロセスを踏むはずだ。これは、人の成長にとって重要なことである。
まあそんな感じで、卒業して学生時代について考えてみた結果こうなった。でも、これって自分が年をとったらまた変わるんだろう。