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気まぐれに書評とか。

「粋な」作法を学ぶ。

社会人になるということもあって、そろそろ「礼儀」とか「粋な振る舞い」を本格的に身につけたいと思うようになる年頃です。こういうものは上司や先輩から教えてもらうのが早いとは思うけれど、できれば自分であらかじめ勉強しておきたい。そう思い、手にとったのがこちら。

男の作法

男の作法

なお、現代においても通用する内容で、しかも女性にも役立つ内容になっているなと思います。この本が書かれた頃(たぶん、1980年代後半?)は、まだまだ「男」意識と「女」意識が根強く残っていた時代かと思いますが、最近では男も女も関係なくいろいろできなくちゃいけなくなってきていますから、この本は女性にとっても役に立つなあと思いました。

本日は、本書の中でもとくに印象に残った箇所について、コメントを附していく形で書評を書くことにしたいと思います。オススメですよ、この本。

人生の味わいはグレーゾーンにある

人間とか人生とかの味わいというものは、理屈では決められない中間色にあるんだ。つまり白とクロノ間の取りなしに。その最も肝心な部分をそっくり捨てちゃって、白か黒かだけですべてを決めてしまう時代だからね、いまは。

グレーゾーンというと、「犯罪スレスレ」の意味に取られかねませんが、そういう意味ではありません。「理屈では決められない」という意味の「グレーゾーン」です。なんでも白黒付けたがる人がたしかに周りを見ると多いですね。器量がないのかなと思ってしまう場面も多々。

私は「なんとすてきな言葉なのだろう」と思いました。まさに、白か黒かではなく、その中間地点にこそ味わい深いものがある。「男」「女」よりも、「ゲイ」の人々の方が思慮深いと感じられる場面もありますし。そういう中間にこそ、美しいものがあるのでしょう。女性でも、どっちつかずの態度の人の方がモテるなんて言いますしね。男性はそこに奥ゆかしさを感じるのです。

私は大学時代に長いことフランスの現代思想にかぶれていましたから、「中間にこそよりよいものがある」という発想に強く惹かれます。ジル・ドゥルーズという哲学者も、「切断しつつ接続する」みたいなよくわからないことを言っていますしね。でも、この言葉の意味、奥が深いですよね。それと同じことなのかなと。

根本はなにか

根本は何かというと、てめえの考えで生きていたんじゃ駄目だということです。多勢の人間で世の中は成り立っていて、自分も世の中から恩恵を享けているんだから、 「自分も世の中に出来る限りは、むくいなくてはならない……」 と。それが男を磨くことになるんだよ。

私も大学生活が終盤になるまで「人のありがたみ」とか「世の中が自分を生かしている」という感覚がイマイチ理解できませんでした。しかし、後半になるにつれて、そして自分がチームをマネジメントするようになるにつれて、「他人」の存在を意識せずにはいられなくなった。こうなってくると、この世界は自分一人しかいないという感覚でいられなくなるんですね。このことを理解できるかどうかが、いい社長はたまたいい旦那になれるかどうかだと思うんです。

そして、世の中で他人を客観的に見ていると、口では「他人に感謝しています」といっていても、本当に理解でき体現できている人というのはあまりにもすくない。「〜させる」という口調が目立つ人はもはやアウトですね。他人はロボットじゃない。あと、自分の都合をやたら押し付ける人。「察してよ!」という女。これらの人々は、自分のことしか見ていない。おっと、そろそろ愚痴になってきそうなのでやめますか。

「人間はいずれ死ぬ」ことを早めに理解せよ

それならば、男は何で自分をみがくか。基本はさっきもいった通り、 「人間は死ぬ……」 という、この簡明な事実をできるだけ若い頃から意識することにある。もう、そのことに尽きるといってもいい。

そうなってくると、自分のまわりのものすべてが、自分をみがくための「みがきの砂」だということがわかる。逆にいえば、人間は死ぬんだということを忘れている限り、その人の一生はいたずらに空転することになる。

これは私も意識していたことです。しかし、最近忘れていたことでもありました。「明日死ぬとして、最近の自分は死んでもいいと思える生活をおくれているか?」――答は確実にNOですね。

若いうちは、どうしても時間が無限にあると思ってしまいがちで、実際大学生は結構皆「死ぬこと」が頭にない場合が多いです。私は、幼稚園にもいってない頃に死を身近に経験したり、中学生のときは「死ぬこと」を考えすぎて寝られなくなったりという経験から、無意識の内に「人生は有限である」という思考が強く根付いていました。べつにだからなんだという話ですが、人生が有限であることを意識すると、「あれも」「これも」すべての経験が貴重なものになります。だって、人生は一度しかないですからね。

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