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気まぐれに書評とか。

日本のデザインがひどいって話

今日発見したNaverまとめの記事。わかる。ものすごいわかる。ただし、韓国との比較は余計だ。これは言わなくてよかった。*1

【画像集】まさに「デザインの死」日本の街中の過剰情報が狂気の域に達していた! - NAVER まとめ

この記事のタイトルは「デザインの死」というところにミソがあると思う。本来デザインは、「説明の必要がないくらい、その物の役割が明確」でないと機能できない。難しい言葉で行くと、アフォーダンスという言葉がこれに該当する。アフォーダンスは、以下の例がとてもわかりやすい。

例えば,今目の前に椅子が置いてあるとする.このときこの椅子は特に「座れ」と字が書いていないのにもかかわらず,この椅子は座れるものだと分かる。これはこの椅子自身が「座る」ことをアフォードしているからである。

あるオブジェクトは、見た瞬間にその役割を把握できる外観でなければならないと私は思っています。ドアノブであれば、「握る」ことが見た目でわかる設計になっていなければならない。しかし、セブン-イレブンのコーヒーの物は、その点で失敗していると言えますね*2

日本の「思いやり文化」がそうさせている?

ただ、ひとつ忘れてはならないのが、日本人って異常に他人に気をつかう文化を持ち合わせているということ。券売機のシールなんかを見ると、他人を気遣ったセリフがたくさん並んでいる。「食券をおとりいただき、お席でお待ちください」なんかは、言葉で書いたほうがわかりやすいと思う。インフォグラフィックで書かれると、逆に認識に時間がかかりそうだ。

そして、これらはさすがにアフォーダンスで解決するにはちょっと限界があると思う。「食券をとって席に座れ」を示すオブジェクトが想像できるだろうか?これは難しいな〜と少し考えただけで思った。ただ、難しいからといって諦めないのがデザイナーのお仕事でもある。日本のデザイナー、もっとがんばろう!(私だ!

なお、今回の問題について考えるには『誰のためのデザイン?』という本がむちゃくちゃ参考になる。よかったら読んでみてください。

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

*1:しかし、韓国の方が確かにデザインはシンプルで優れているという点は、個人的には否定出来ないと思うけれど。

*2:ただ、私の近所のセブン-イレブンのコーヒーメーカーはそんなにひどくない