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気まぐれに書評とか。

『ビジネスモデル全史』

読了したのは先月なのですが(笑)。そして、若干読み終わっていないページもありますが(笑)、書評をしようと思います。

 地球上にこれまで存在したビジネスモデルを総なめした本で、筆者は「論文を書くため」にこの本を書いたんだと言います。すごいですよね。論文を書く前段階で、ここまでの厚さの本ができあがるというのは。

私がこの本を読もうと思ったのは、ビジネスモデル構築の必要に迫られてのことでした。今、とある地域向けの飲食店情報総合サービスサイトをリリースしようとしていて、そのためにどこでキャッシュポイントを生むかを考えたいと思ったためです。

結果として、私が欲しかった情報はほとんど入っていて、さすがな一冊だなと思いました。そういえば、この本って去年、シリーズの経営戦略編がビジネス書ランキングか何かで1位をとっていましたよね。経営戦略編もぜひ、手元に欲しいです。

余談ですが、よい本というのは、10年後もずっと残り続けている本だと言います。この本は残り続ける本なのでしょうか。私は、改訂版を事あるごとに出し続けさえすれば、きっと残り続けるだろうなと思います。

さて、私が実際に自分のサービスをリリースするにあたって気になったのは、「ZARA」のケーススタディでした。その中で、こんなことが本書には書かれています。

ZARAは、「流行を先読みする力」には頼らないことにしました。今年の流行はこれですよという宣伝(情報発信ともいう)をして「流行を創り上げる」こともしません。代わりに新製品をどんどん出して、消費者の「本当の」好みを探って、それに合わせていきます。市場投入1週間で動きが悪ければそのアイテムは店頭から除かれ、追加注文もキャンセルされます。常に「今の流行を追う」ために。

もちろん、ZARAと私たちのサービスとは、まず展開されている段階が違います。おそらく、ZARAは成熟段階くらいでこの手法を行っていると思います。一方で、まだ私たちのサービスは立ち上げ段階です。この差はもちろん、考慮しなくてはなりません。

しかし、それを差し置いたとしても、やはり「消費者のニーズをしっかり拾おう」などと余計なことはあまり考えず、まずはコンテンツを次から次へと打っていくのが大切かなと思っています。実際に行動をする中でニーズを学習して、それを反映して次のコンテンツを生む。この循環が、情報系サービスには必要でしょうね。

まだまだ紹介したい内容はたくさんあるのですが、今日はこの辺で。