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気まぐれに書評とか。

読書について、いろいろ聞かれることが多いのでまとめてみた

 読書について聞かれることがあまりにも多いので、ここに少しまとめておこうと思います。ちなみに、現状月に10冊は最低でも読みますし、年間に直すと100〜150冊位読みます。ジャンルは、ほとんどが学術書です。最近はビジネス書も増えましたが。

 まず、僕が読書について考えるとき、読書には2種類あるんじゃないかと思っています。

  1. 趣味としての読書:知的好奇心を満たすために行う読書のことです。もともと性格的に何かを学ぶことが好き、肉欲よりも知的好奇心を満たすほうが好きという特質を持っています。したがって、趣味としての読書というジャンルが存在します。
  2. 自分を高めるための読書:つまり、仕事で必要だからする読書ですね。僕の場合、マネジメント系や戦略系、あとは金融工学の読書がこれに該当します。

 2種類の読書では、それぞれ読み方が異なっていると感じます。まずは趣味としての読書をどうこなしているかから。

 …の前に、まず大前提として、この記事結構長いです。この記事を読んでいただいているのは読書好きの方が多いんだと思って書いています。もちろん、読み飛ばしにも耐えうるような設計にはしておりますが。

趣味としての読書

 僕の読書の特徴は、大きく分けて4つになります。

  1. オモロイと思った本だけ読む。オモロければジャンルは問わない。乱読。
  2. 書いてある内容の2割くらいを理解できればいいというスタンス。
  3. 読書ノートはそれなりにとってはいる。
  4. 読んでる最中に、ほかのジャンルの内容と関連できないか考えながら読む。

多読、乱読、書いてある内容の2割理解

 大前提として。

  1. 僕は飽きっぽい性格で、すぐに興味がほかに移る。
  2. 飽きないためには、「内容が面白いことが重要」「本を早く読むのが鉄則」
  3. だから、「内容の2割を理解できればいいや」のつもりで、気軽にスピーディに読む。

 「オモロイと思った本だけ読む。オモロければジャンルは問わない。乱読。」というものについてですが、文字どおりで、おもろくない本はほとんど読了できません。

 なぜかというと、僕は、ものすごく飽きっぽくて興味がすぐに移ろうという困った性格をしているからなのです。この話をすると本当に信じてもらえませんが、僕はとにかく物事に飽きるのが早いです。

 したがって、飽きないために、読む本の内容は最低限おもろくなければなりませんし、さらにいうと早く読まないと飽きてしまいます。したがって、著者の方々には申し訳ありませんが、乱読多読です。ただ、1行1行全部目を通しています。ただ、結構見てるだけ。読んでるところは一部。

 だから、2番の「書いてある内容の2割くらいを理解できればいいというスタンス」が生まれてくるわけです。こんな読み方をしているものですから、書いてある内容のほとんどは覚えられません。本当に印象に残った2割だけを覚えているのです。

 人よりも知っている物事の数は若干多めかなと思う節はありますが、それを担保しているのは1番の乱読多読なんですね。2割しか記憶できない性格と脳なのですが、数を重ねれば重ねるほど知識が増えるのは事実です。したがって、人より若干知識量は多いという結果になっています。もちろん、本を書くような方々には遠く及びもしません。

 ところで、よくビジネスの方々は「アウトプットが大事だ!」と盛んにおっしゃります。僕もアウトプットは大事だと思います。それを担保しているのが3番の「読書ノートはそれなりにとっている」です。

読書ノートについて

 僕の読書ノートの取り方は以下の2つの特徴があると思います。

  1. 大層なものではなく、気に入った文章を書き写したり、はじめて知った言葉をメモする。
  2. アウトプット重視で、毎回1章読むごとに読書ノートを気楽に書く。ビジネス書だったら、気になったところをメモ。学術書は、論理構成をメモ。

 読書ノートといっても大層なものではなく、気に入った文章を書き写したり、あとは章の論理構成を整理して書き留めたり、はじめて知ったおもしろい言葉をメモしたりしています。

 アウトプットは結構重視していて、僕は毎回1章読むごとに読書ノートを書くようにしています。最近はビジネス書が多くなり、断片的な記録が多くなってしまったのですが、学術書を読んでいるときは必ず章の論理構成を整理して書き留めるようにしていました。

 読書ノートに論理構成を整理してかくことのメリットですが、これは「人間の理にかなった記憶ができる」というところにあるでしょう。脳は、文と文のつながりや論理の流れを記憶するのには非常に強いらしいです。一方で、単語だけの断片的な記憶ではどうしてもすぐに忘れてしまう。

 こういうような脳の性質を知ってから、読書ノートを「章ごとに」「論理的に整理して」とるようにはなりました。もちろん、僕は大雑把な性格ですから、よくサボります。

既知のアイディアとアイディアをつなげながら読む

  1. 読書の際は、「この話はほかの○○という話とつながってるんじゃないか?」と考えながら読んでいる
  2. 考えた結果をすぐツイッターに書いてる。
  3. 物事を記憶する上で非常に合理的な手法だと思っている。

 最後なんですが、「読んでる最中にほかのジャンルの内容と関連できないかを考えながら読む」というものです。これは、僕の場合特に哲学系の本を読むときに顕著になります。とにかく思想家と思想家をつなげて考えたがります。

 で、思いついたことをだいたいTwitterにかくんですね。ついったーは非常に便利です。思い立った時にすぐに書けるので。

 物事を関連させるというのは、物事を正確に理解していないと難しい所作です。したがって、3番と4番は関連しあっているんですね。読書ノートを創ることは、物事を正確に理解するための第一歩なので。

 ここまでで1900字を越えてきましたが、次は自分を高めるための読書に移りたいと思います。

自分を高めるための読書

 つまり、必死になって読まなくちゃいけない場合どうするかということです。

 必死な読書の際は、だいたい時間が限られていることが多いです。したがって、僕は頭のモードを切り替えて以下の様な読み方をします。

  1. 本を開く目的を明確にする
  2. 目次と索引を見る。
  3. 関係ある部分だけ読む。

 これはみなさんもやっていることと同じです。あとは、先程も書いた「読書ノート」と「関連読み」は欠かさず行います。

 必死な読書の際、僕はほとんどスキャニングないしはパラグラフリーディングを行っています。自分でも「あ、読んでないな」と感じつつも、「情報を得るためだ」と割り切ります。

 スキャニングとパラグラフリーティングについては、別途検索などで調べてみることをオススメします。結構便利ですよ。僕も、大学受験の英語の参考書で知りました。日本語でも応用できますが、たまにパラグラフの作り方がうまくない著者がいて、そういう人の場合はまったく使えません。

 これらは、目を早く動かすような力技の速読の類とは少し異なっています。やったことはあるんですが。とくに効果もなかったので辞めました。強いて言うなら目が少し良くなった記憶はあります。

 というか、ああいう速読って、自分の脳内での視覚の処理スピードが、文字を目で追うスピードに追いつかなければ成り立ちませんよね。あまり脳に一気に情報を入れ過ぎると頭が痛くなるのでやめました。

 ここまでで3000字になってしまったので、最後に読書に対する考えを書いて終わりにします。

読書に対する考え

読書への考え方、スタンスについては以前記事にも書いたことがあるのでこちらを参照してください→http://multiplus.hatenablog.com/entry/2013/11/19/222204。基本的にはほとんど変わっていないと思います。

 この記事とは別に、最近感じたことを記させていただきます。

  1. 読書に完璧を求めてはいけない。
  2. 巷にあふれる方法論に惑わされてはいけない。
  3. なぜなら、普遍的な読み方はないからだ。人の性格によって、読み方は全く異なる。
  4. したがって、自分の性格にあった読書法を早急に生み出せばよい。
  5. ただ、それを知るためには、とにかく「実行する」ことを重視して多読すべき。量は質に転化するので。
  6. したがって、おすすめの本を人に聞いてる時間があったら、書店でおもしろいと思った本を片っ端から購入してガンガン読むべき。

 最後になりましたが、読書の本質は「言葉を知る」ことです。言葉を知るとは、新しい概念や方法論を知ること、つまり自分の世界を広げることだと思っています。読書をし続けるということは、自分の世界を広め続けるということですから、それだけ人として大きな存在に近づけるのではないか。そんなことを考えながら、日頃本と向き合っています。

 こちらからは以上です。

 難しい本を読むにはどうしたらいいかとか、いろいろほかにもネタはありそうなのですが、ニーズがなさそうなのでここまでで。