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気まぐれに書評とか。

就活をして思ったこと。

あまり「いい」と思える企業がなくなってきたので、そろそろ就活を終わりにしようかと思っている。自分がした体験を今後、後輩のみなさんにもぜひいかしていただきたいので、思ったことをまとめておきたい(ただし数えてみたら4000字になっていたので覚悟してください)。あと、相当尖ったことを書いているので、違うと思ったら容赦なく反論をくださればお答えできる範囲でお答えしたいと思う。

就職活動の実際

私の就活は比較的例外的なパターンだ。ほとんど就職活動をしなかった。正直、世の中の「説明会50社受けて、25社面接に進む」みたいな常識はバカげていると思っていた。少し斜に構えて臨んでいた面はあった。周りの友人は聞いてみたら30社くらい面接まで進んだといっていたが、私は確か6社だ。友人の行動力は尊敬に値する。ただ、そんな数の会社を受けなくても、戦略的に物事を進めればなんとかなるよということは伝えておきたいと思うので、私の就活の実情を比較的赤裸々に書いておきたい。

私は、そもそも本格的に就活をはじめたのが2月の中旬だった。それまでにも数社、説明会に足を運ぶといったことはしていたが、本格的にはじめたのはテストが終わってからだった。そこから、10社ほど説明会に足を運んで、最終的に受けたのは6社だった。

面接に進んだ6社のうち、2社は1次面接で落ちた。面接で落ちた理由というものは基本的にはわからない。ただあとから別ルートで情報を聞いたところ、少し採用基準の特殊な企業2社だったようだ。ならば仕方ない、と合点した。こういうのを「ご縁」とでもいうのだろうか。

最終面接には4社進んだ。そのうち1社落ちたわけだが、そこで世の中の厳しさを味わった。人事の人にいくら、「来て欲しい」と言われていたとしても、トップが無理だと判断すれば落とされてしまう。私も例外ではなかった。どうしてもトップに、文系の自分がSEをやれる、という確信を抱かせることができなかった。これは自分の責任である。会社で企画を通す際も似たような現象が起こるのだろう。生意気な言い方かもしれないが、「自分の意志を通すためにはトップの首根っこを押さえなければならない」。落ちて、学んだ。

この突破率については話をすると驚かれるのだが、やったことは簡単な話で以下の3つ。

  1. 面接官の求めている情報を予測し、それを的確に提供する:面接官の時間を奪っているのだから、確実にあちらのほしい情報を想像し伝える。逆に言うと、自分は追加でアピールしたいけれど、相手にとってノイズとなる情報は一切出さない。面接では、「自分の情報をどう伝えるか」よりも「相手が何を欲しているか」。よく言う「相手の立場にたって考える」ことは大切。
  2. きちんとPDCAサイクルを回す:毎回の面接で、計画→実行→検証を必ず繰り返す。検証→再計画のプロセスを最も大切にした。つまり、前回の反省を確実にいかしたということである。こうすることで、落ちた原因を徹底的に追求できる。さらにいうと、落ちた原因がわかるので、精神安定剤にもなる。
  3. 第一印象勝負:ネクタイの色、髪型、靴磨き、ズボンのプレス等は完璧に。ネクタイはディンプルをつくり、毎回色に拘る。私はゴールドのネクタイがもっとも気を引き締められると思ったので、ここぞという面接では愛用していた。靴は光沢のでるレベルまで、朝どんなに忙しくても毎回磨く。人は視覚情報にもっとも影響される生き物であるという原理原則に従う。

テクニックでもなんでもなく、基本に忠実に行動しただけだ。ただしその基本は、大学とは別の課外活動で、たとえば国会議員の振る舞いや、お世話になっている経営者の方から学んだものである。大学生のうちに、いわゆる一流の社会人に触れる機会というものは本当に大切なのだと改めて思う。

先行きの見えない不安―ただし、目の前の現実から逃げなければ、確実に道は開ける

活動中、不安がなかったかというと決してそうではない。私はメンタルがそれほど強くないので、なかなか先行きの見えない就活に苛ついていた場面もあった。とくに、他の人に比べてずいぶん開始が遅れたわけだから、それもまた自分に対するプレッシャーとなった。

しかしそういうときこそ、自分を信じるしかないのだ。自己啓発書っぽくなってしまうが、「自分を信じて、今やれる範囲での最善をつくす」という点が、もっとも重要だった。こういう苦境に陥ったときもっともしてはならないことは、現実逃避をすることだ。

結局進路をどう決めたか

最終的に、3つの進路について迷うことになった。「家族の一員になるか」「標準的な日本企業で働くか」「世界を相手にするITコンサルタントになるか(もちろん、その分ハードワーキングだ)」。結局、まずは標準的な日本企業を選ぶことにした。私はとくにこれといって特徴のない平凡な人間だから、この道が一番あっていると思ったためである。面接を進める中で「あらゆる能力のバランスの良さ」を指摘されることがままあったが、やはり私は「尖った一面」を持っていないからこそ、バランスのいい企業に入ることが、もっともよい選択肢なのだと勝手に思っている。

なぜ迷ったかというと、全然自己分析をしていなかったためである。自己分析さえもいらないと思っていたが、これはさすがにいると断言しておく。自己分析は必要だ。これだけはなめちゃいけない。