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気まぐれに書評とか。

日本の高齢化を身をもって体感した

今日は地域再生型のNPOのお手伝いにいってきた。ひょんなきっかけからお手伝いさせてもらうことになったのだが、今後もお付き合いすることがほぼ決まった。

このNPOは商店街を(再)活性化させようという目的のもとに活動している。うちの大学の教授がゼミではじめたものが徐々に拡大、その後NPOになったものなのだそうだ。もうかれこれ10年くらい続けているらしい。コミュニティデザインということばがはやっているのは最近だが、そのブームよりも少し前から仕事をしているようだった。

ショッピングモールは稲毛区のバカでかい団地の一角にある。そのなかにあって、私が想定していたのはやはり子連れで賑わう商店街といったものだったのだが、予想は大きく裏切られた。来場者の8割が高齢者、30代以下の人は2割いるかいないか。そのくらいにまで高齢化が進んでいた。

しかも、ショッピングモールに訪れる人は普通は女性が多いように思うのだが、この日は男性が多かった(これは休日だったからかもしれないが)。これもまた意外だった。

日本の高齢化はいよいよ来るところまで来たなと、今日実際に働いてみて肌身で感じられた。

しかし、これがマイナスに転じるかプラスに転じるかは、今後の我々の活動次第ではないかと思う。というのも、今の高齢者は普通に歩ける人が多いし、物を運んだり芸術を楽しむ余裕のある人も多いと今日感じられたからだ。これは地味に重要なことだと思う。寝たきりの高齢者ばかりでは医療費も膨らんで大変だろうけれど、これだけ動ける高齢者がたくさんいるのだから、彼らの可能性の芽を開花させたほうが、社会全体にとってもプラスになると思う。

少し考えてみたのだが、たとえば地域再生のイベントに人手が足りていないといっていたので、高齢者を少し動員してみるというのはどうだろうか。力仕事は難しいかもしれないが、イベントの企画には思った以上に協力してくれるのではないかと考える。それに、集客面での協力も期待できる。というのも、高齢者のコミュニティには強い結束力がありそうだ、と感じられたためである。

なんだかんだでマイナスに捉えられることの多い高齢化であるが、見方を変えれば大きなプラスに転じることもありえると私は思う。歴史上類を見ない高齢化時代が先進国に到来するといわれているが、これを乗りきれるかどうかは先進国の的確な選択にかかっているといっても過言ではないだろう。