multiplus

気まぐれに書評とか。

ゼロベースのいい・悪い

またやってしまった。これは去年も上司から散々指摘されていたことなのだが。

私は、どうしても仕事をする際にゼロから作りたがる癖がある。昔からモノを作るのがとても好きで、その名残だと思うのだけど、チームで仕事をする際にはこれがいかんせん邪魔になる。なぜなら、実際にモノを作る時には納期というものがあるからだ。時間は無限ではない。

また、今日CEOが言っていたことなのだけど、学生の仕事には「早い・安い・うまい」が求められるんじゃないかと言っていた。納期を守るのは絶対だし、しかも安く済ませなきゃいけないし、なおかつある程度のクオリティも出せていなければならない。

こういうスタイルを求められる時、ゼロベースはよくない。とにかく、目の前の案件を無難なラインで正確にこなすことだけが求められている。このような場面において、ゼロベースで独創的なものは意味をなさない。

具体的にどうゼロベースでなくするかというと、要するに他のサイトを真似してアレンジすることだ。トレースといっている。

単なるマネを称賛するわけではないけれど、メリットもたくさんある。ひとつは、プロが作ったものをマネして変形することで、自分のスキルを磨ける点だろう。マネをしてプロっぽい画像を作成することで、Photoshopの動かし方やIllustratorの使い方を学ぶ。レイアウトの仕方を学ぶ。これはとても効率がいい。

しかしもちろん、マネには欠点がある。それはイノベーションが生まれないことだ。ただ、きちんとした基礎なくしてイノベーションはありえない。最終的にデザイナーに求められることは、「ええ!?」という驚きだろうし、自分自身もそういうものを生み出せる存在になりたいと思う。

能のことばで、守破離ということばがある。最初は師匠のマネから入り、徐々に型破りをしていく。そして結果として自分のスタイルを確立する。このことばの重要性を改めて感じた。