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気まぐれに書評とか。

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女ごころは残酷だ――『女ごころ』

サマセット・モームにハマって第三弾を読んでみました。『女ごころ』という作品。この本は、ページ数が少なくすぐに読み終えられるので、モーム入門にはいいかもしれません。 女ごころ (ちくま文庫)作者: W・サマセットモーム,William Somerset Maugham,尾崎…

『それでも人生にイエスと言う』

1年ぶりくらいに、本作を読み返してみた。 フランクルといえば、代表作『夜と霧』で知られるように、第二次世界大戦期に、実際に強制労働収容所に収容された経験をもつユダヤ人精神科医である。収容所での壮絶な体験については、『夜と霧』に詳しく書かれて…

いくつかの本の書評

3冊ほど本を読んだので、簡単に書評しておこうと思う。 【『科学的とはどういう意味か』森博嗣】 3.11の原発事故で沸き立つ世の中を見て疑問をもった筆者が、世の中の大騒ぎの「しかた」を批判する本であった。 「科学的」というのは勘違いをうけやすい言葉…

【書評】『経営戦略を問いなおす』

久しぶりに自分が一応もっとも関心を寄せる、経営戦略分野の本を読んだが、なかなか刺激的な一冊だった。最近自分が経営戦略に対して抱いていた疑問を、みごとに答えてくれた一冊だったと思う。 私の抱いていた疑問というのは、『世界の経営学者はいま何を考…

【書評】『街場の中国論』

内田樹による中国論。日本のガバナンスと中国のガバナンスの大きな違いや、謎めいた毛沢東の政策に対する内田樹なりの解釈が書かれている。「異形の大国、中国」を理解するには面白い一冊。 内田樹氏による中国の授業をまとめた一冊である。ご存知の通り、内…

【書評】『「自分で考える力」の授業』

日本の教育は「考え抜く方法」を教えてはくれない。だからよく日本人は、自分の意見を持つことが苦手だと言われることがある。日本人の弱点である「きちんと考えて自分の意見を持つ」を克服する方法を教えてくれる一冊。 本書の感想を一言で書く。「とにかく…

【書評】『この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」』

戦後の政治・外交・エネルギー政策。そしてバブルはなぜ起こったか。日教組とは何か。これらを縦横無尽に、しかもわかりやすく解説した一冊。 伝えられない「戦後史」 戦後史というのは学校では教えられない。なぜなら、戦後史は歴史の授業では教科書の最後…

【書評】『武士道』

ずいぶん前だが、新渡戸稲造の『武士道』を岩波文庫版で読んだ。若干昭和初期のような言い回しがあるので難しいと感じた。できれば、ちくま新書版などといった「現代語」に訳されたもので読んだほうが頭に入ってくると思った。 「武士道」という精神性は少し…

【書評】『ハムレット』

ハムレットを読んだ。いつだったか、何かの機会に読んだことがあった。久しぶりに読み返してみたが、まず第一に「とにかく面白い」。 私が読後感じたことはひとつ。不誠実な行為はいつか自分にはね返ってくる。この一点だ。国王についてもしかり、ハムレット…

【書評】『里山資本主義』

ここ半年、今後自分が生きる世界はいったいどうなっていくのだろうということを考える時間が以前よりも増えた。就活を目前に控え、少し人生について考えるようになったためだと思う。 私が思う、今後の世界の流れのポイントはいくつかある。その中で最も大き…

【書評】『良い戦略、悪い戦略』

(ほぼ)読了。 戦略を野心やリーダーシップの表現とはきちがえたり、戦略とビジョンやプランニングを同一視したりする人が多いが、どれも正しくない。戦略策定の肝は、つねに同じである。直面する状況の中から死活的に重要な要素を見つける。そして、企業で…

【書評】『自分がいなくてもうまくいく仕組み』

一冊読了。友人から借りて読んだ。 チームマネジメントの画期的な一冊。読んだ感想としては、小さな組織でこれを実行するのは簡単かもしれないが、大きな組織でこれを実行するのはなかなか難しそうだなと。ただ、会社全部を変える必要はなくて、せめて自分の…

自分をとりまく世界を考えるために読んでおきたい新書5冊

◆大学生が手元に置いておきたい10冊の新書http://yuma-z.com/blog/2013/06/shinsho-10/ 便乗する。『学問のすすめ』はなかなかよかった。ちくま新書の現代語訳版でどうせあげるなら、『福翁自伝』『論語』もなかなかいいのでどうぞ。あと、『武士道』もすば…